探偵社への依頼は様々ですが、どんな依頼でも受けるというわけではありません。探偵業法で禁止されている調査や公序良俗に反する調査は違法となります。今回は、禁止されている違法調査についてまとめてみました。

差別に関する調査

江戸時代に作られた身分制度による差別が昭和中期まで尾を引き、地域においては多少なりとも差別が残っていたという事実があります。このような差別に関して、出自を調べる調査は違法となります。

国籍に関する調査

太平洋戦争前後で、朝鮮半島、台湾、中国東北部から日本国籍を取得、帰化した人は多くいます。帰化した人物であるかを調べて、縁談を断る理由としていたのも事実としてあり、差別に繋がる国籍関連調査は禁止されています。

ストーカー目的、その他犯罪につながる調査

ストーカー目的で相手の所在などを調査する事はできません。その他、犯罪目的として対象者を調査する事も一切出来ません。「調査結果を犯罪には一切利用しない」という誓約書を頂くことが、探偵業法でも義務付けられています。ですので、基本的には婚約していない状態の彼氏彼女の調査はストーカー規制法に触れる可能性があります。近年のストーカー関連の重犯罪により取締りも厳しくなってきています。現在では、恋愛感情や好意の感情、またはそれが満たされなかった事に対する怨恨の感情を充足させる目的で位置情報を取得しただけで規制法に抵触します。

ＤＶ被害者に対する所在調査

配偶者からの暴力であるDV（ドメスティック・バイオレンス）は、残念なことに現代では珍しいことではありません。被害者が、加害者である配偶者などから行方を眩まし、避難した場合の所在調査は禁止とされています。例えば、被害者が警察の協力を得てDVシェルターや母子寮に入っている場合、その場所の特定のため調査をする事は禁止されています。