探偵業界のフランチャイズ
探偵業界のフランチャイズについて思うこと。久留米市においても、近年、フランチャイズ展開をする探偵社が増えています。昔はガルエージェンシーくらいでした。
もちろん、フランチャイズという仕組みそのものを否定するつもりはありません。ただ、中には数十万円から数百万円の加盟金を集めることが目的になっているのではないかと感じるところもあります。
特に疑問に感じるのは、探偵としての実務経験がほとんどない人でも加盟金を支払い簡単な研修を受けるだけで「探偵」として仕事を始められてしまうことです。本来、探偵の仕事は、尾行や張り込み、撮影など、実際の現場で経験を積まなければ身につかない技術が非常に多い仕事です。
例えば美容師の世界でも、かつては専門学校を卒業しただけではなく、実際の現場を学ぶためのインターン制度がありました。人の髪を切る仕事ですら国家資格としてそれだけ実務経験が重視されてきたわけです。
それなのに、離婚や慰謝料、親権、会社での不正など、人生を大きく左右する可能性のある調査(仕事)を、ほとんど実務経験のない人がフランチャイズに加盟したというだけで請け負ってしまう。私は、この状況には大きな疑問を感じます。
問題なのは、加盟金欲しさに十分な技術や経験のない探偵を増やしてしまう本部側だけではなく、自分に十分な経験も技術もないことを分かっていながら、依頼者の人生に関わるような重大な仕事を安易に引き受ける側にも、大きな責任があると思います。探偵の調査は、失敗したら「もう一度やればいい」で済まないことがあります。一度警戒されれば、二度と証拠を取れなくなることもあります。
その結果、不利益を受けるのはフランチャイズ本部でも加盟店でもなく、高い調査料金を支払い、人生をかけて探偵社に依頼をした依頼者です。こうした状況も、現在の探偵業界で起きているさまざまなトラブルの原因の一つです。
探偵業界の質を本当に向上させるのであれば、開業のハードルをもっと上げるべきです。例えば、一定期間の実務経験を積んだ者でなければ探偵業の届出ができない仕組みにするなど、何らかの制度が必要だと思います。個人的には、最低でも3年程度の実務経験を必須としても良いと思っています。
お金を払って加盟すれば、明日から誰でも探偵になれる。人の人生に深く関わる仕事だからこそ、それで本当にいいのか。探偵業界全体で、一度真剣に考えるべき問題であります。
